【美術展】『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』に行ってきた

イベント

上野にある東京都美術館で2025年9月12日(金)から12月21日(日)にかけて開催中の、『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』に行ってきました。

なお、本展は大阪(終了)、東京、名古屋で行われる巡回展となっています。詳細や開催時期は下記リンクをご参照ください。

ゴッホ展 公式ウェブサイト
「ゴッホ展」の公式ウェブサイトです。本展のみどころや最新情報などを紹介していきます。大阪展2025年7月5日(土)~8月31日(日)大阪市立美術館で開催予定です。

世界最大のコレクションで辿る、ファン・ゴッホの生涯と芸術

本展では、世界最大のゴッホコレクションを有する「ファン・ゴッホ美術館」の所蔵作品を中心に、ファン・ゴッホの絵画30点以上をはじめ、画商で弟のテオが収集した絵画やファン・ゴッホ直筆の手紙など、計76点を紹介しています。

全5章で構成され、章の間にはゴッホと家族の生涯を辿る映像が流れます。
最後には「イマーシブ・コーナー」と題された、幅14メートルの没入体感型デジタルアートがあり、ファン・ゴッホの作品を大画面かつ高精細な映像を楽しむことができます。

※なお、本展で撮影可能なのは「イマーシブ・コーナー」のみで、そのほか絵画作品は一切撮影禁止です。

ファン・ゴッホと家族の物語

ファン・ゴッホを語る上で、弟テオの献身的な支えと、ゴッホとテオの死後に作品の知名度向上に努めたテオの妻ヨー、ファン・ゴッホ美術館の設立に尽力したテオとヨーの息子フィンセントの活躍が必要不可欠でした。

フィンセント・ファン・ゴッホ 《赤い葡萄畑》1888年11月 油彩
本展では未展示

ファン・ゴッホは約10年の活動の間に、2100枚以上の作品を残しましたが、生前に売れた作品が《赤い葡萄畑》という絵画1枚だけであることはご存じでしょうか。(所説ありますが、、、)

「売れないけど、描き続ける」ことができたのは、テオが経済的にも精神的にも支え続けたおかげです。テオは画商として兄の才能を信じ、生活費を送り続けるだけでなく、手紙を通じて作品への感想や励ましの言葉を送りました。

ファン・ゴッホは1890年に亡くなり、それを追うようにテオも半年後に亡くなりました。死後に残された膨大な作品はテオの妻ヨーに相続されることになります。
本展ではヨーがその膨大な作品をどのように管理したのかがわかる、直筆の帳簿が展示されています。

ヨーはファン・ゴッホの作品の価値を高めるために回顧展を開催する一方、作品が一か所に偏らないようバランスを考えつつ、各方面へと巧みに商談を持ち掛けるなど、その戦略の巧妙さがうかがえます。

その結果がロンドンのナショナルギャラリーに売却して、一躍知名度と箔付を得ることに成功した代表作≪ひまわり≫に結実したのだと思います。

『テオ・ファン・ゴッホとヨー・ファン・ゴッホ=ボンゲルの会計簿』
1889-1925年

依然としてヨーが保管していた作品群を基に、ヨーの息子のフィンセントが設立したのがファン・ゴッホ財団であり、オランダのアムステルダムにあるファン・ゴッホ美術館です。
今回の『ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢』はファン・ゴッホ美術館協力のもと開催されました。

ファン・ゴッホ美術館のコレクション

フィンセント・ファン・ゴッホ 《画家としての自画像》
1887年12月-1888年2月 油彩

今回の目玉はなんといってもファン・ゴッホ《画家としての自画像》だと思います。

ファン・ゴッホは生涯で38点もの自画像を残していますが、本作はパリからアルルに移住する直前に描かれたものとされています。当時34歳という年齢を考えると、私は少し老けて見えるように思います。精神的に不安定で体調も優れなかったという情報が私の頭にあるから、そう見えるのかもしれません。

この自画像が描かれたのとほぼ同じ時期、ヨーは実際にファン・ゴッホと対面しています。ヨーから見れば、たくましく健康的に見えたそうですから、絵の印象も人それぞれです。

そのほか、ゴッホらしさを強く感じられる作品が《モンマルトルの菜園》です。全作品の中でも最大級のサイズを誇り、テオと共に過ごしたモンマルトルの風景を生き生きと描いています。

特徴的なのは、ほぼ同じ長さの筆致を風車に向かって幾重にも重ねることで、奥行きや立体感を巧みに表現している点です。また、色はなるべく混ぜずに原色をそのままキャンバスにのせており、鮮やかで力強い印象を与えます。印象派の筆触分割から影響を受けたと考えられますが、それを独自の感性で再解釈しており、この独特なタッチこそが、唯一無二のゴッホ作品であることを感じさせます。

フィンセント・ファン・ゴッホ《モンマルトルの菜園》1887年 油彩

今後のファン・ゴッホ

冒頭で述べたとおり本展はファン・ゴッホ美術館の協力のもと、日本国内3カ所を巡回していますが、時期を同じくしてオランダのクレラー=ミュラー美術館の協力を得て、『大ゴッホ展』も開催されています。現在は神戸で開催中ですが、これから福島と東京へ巡回する予定なので、こちらも楽しみにしたいところです。(目玉作品は《夜のカフェテラス》ですね)

大ゴッホ展 公式サイト
「大ゴッホ展」を2025年から、神戸・福島・東京で開催します。オランダのクレラー=ミュラー美術館のコレクションから、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853〜1890)の作品を中心に紹介する展覧会です。

タイトルとURLをコピーしました